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以前お話したミネラルについての続きです。
過剰摂取と欠乏症について書きます。
・カルシウム
不足すると神経の興奮が高まり筋肉が地緩する。
欠乏症は幼児のくる病、成人では骨軟化症、骨粗鬆症。
過剰症は腎臓結石、軟組織石灰化症。
・リン
通常不足しない。むしろ加工食品中の添加物、栄養補助食品、清涼飲料水などからの過剰摂取が問題。
欠乏症は脱力感、筋力低下、溶血など。
過剰症は血液中のリン濃度上昇、副甲状腺機能低下、副甲状腺ホルモン分泌低下など。
・マグネシウム
欠乏すると血清中の中性脂肪やコレステロール濃度の上昇、低カルシウム血症、めまい、けいれん、筋無力症、抗うつ症など。
過剰症は尿中に排出されるため起こらない。
・カリウム
欠乏症、過剰症ともになし。
・ナトリウム
欠乏症は食欲不振、吐き気、血液濃縮、筋肉痛など。
過剰症は細胞内液と外液のバランスが崩れ浮腫、高血圧など。
・塩素
不足すると、胃液の濃度酸度による消化不良、食欲不振など。
過剰症は高血圧症など。
・鉄
欠乏症は鉄欠乏性貧血、
過剰症は組織に鉄が沈着することによる血色素症。
・銅
欠乏すると鉄代謝に影響を及ぼし貧血になる。
過剰症は銅中毒、遺伝によるウィルソン病。
・亜鉛
欠乏症は成長障害、免疫機能低下、味覚異常、性腺や皮膚、肝臓や感覚器の機能低下など。
過剰症は前立腺肥大のリスクが高まる、銅の吸収阻害による銅欠乏、吐き気、嘔吐、腎障害など。
・セレン
欠乏症は成長障害や筋肉委縮、肝障害、不妊症、免疫力低下などが起こる。
過剰症は疲労感、嘔吐、腹痛、心筋梗塞、など。
・クロム
欠乏すると耐糖能異常、成長障害、脂質やたんぱく質の代謝異常などが生じる。
長期間による過剰摂取は嘔吐、下痢、腹痛、腎尿細管障害、肝障害、造血傷害、中枢神経障害などが起こる。
・ヨウ素
欠乏症は甲状腺肥大、クレチン病など。
過剰症は甲状腺種、甲状腺機能亢進症など。
・コバルト
欠乏症はビタミンB12欠乏症である悪性貧血。
過剰症は悪心、嘔吐、食欲不振、発疹などがある。
・マンガン
欠乏症は成長障害や骨形成異常、血液凝固能の異常などが生じる。
過剰症は疲労感、倦怠感、不眠、進行性痴呆症、精神障害、歩行傷害などが起きる。
・硫黄
たんぱく質の摂取が充分であれば欠乏症、過剰症は起こらないと言われている。
・モリブデン
欠乏症は特になく、過剰症は銅排出を促し、銅欠乏症(貧血、動脈硬化、心筋梗塞)が生じる。
・フッ素
欠乏するとう蝕、骨粗鬆症につながる。
過剰症は斑状歯という疾患や慢性フッ素中毒になる。
以上、本日はミネラルの欠乏症、過剰症についてのお話でした!
女性は月経などの影響からミネラルが不足しがちなので、必要に応じてサプリメントなどで補うことがおすすめです。
水溶性と脂溶性があるビタミンの中でも、脂溶性は体内に蓄積され過剰症を起こしやすいので注意が必要。
・脂溶性ビタミンの働き
ビタミンA(科学名:レチノール)、うなぎやレバー、卵黄やバターなど動物性食品に多く含まれる。同じ生理作用を持つカロテンは緑黄色野菜に多く含まれ、抗酸化作用や成長促進、視覚作用や皮膚などの粘膜形成に関与している。
不足すると成長障害、結膜炎や風邪などの細菌感染に対する抵抗力低下、皮膚のかさつきなどが生じる。
過剰症は肝障害や胎児の発育異常などがある
ビタミンD(科学名:コレカルシフェロール、エルゴカルシフェノール)、酵母やキノコ類に含まれるものと動物の表皮に存在するものはプロビタミンDで、紫外線に当たることによりビタミンDになる。肝臓と腎臓で活性型のビタミンDになると腸管からカルシウムとリンの吸収を促進し、骨組織やカルシウムの代謝に関与している。
欠乏するとくる病、テタニーなどが生じるが通常の食事をしていれば欠乏することはない。
過剰症は高カルシウム血症や腎障害、幼児の成長停止などがある。
ビタミンE(科学名:トコフェロール)、8種類の同族体があり、その中でa-トコフェロールが最も生理効果が高い。小麦胚芽や大豆油、コーン油に多く含まれ、抗酸化作用や細胞膜構成成分である多価不飽和脂肪酸の過酸化を防止し、老化防止、生活習慣病予防などの効果がある。
欠乏すると動物の不妊症や筋肉委縮などが生じる。
過剰摂取は血液が止まりにくくなる、骨粗鬆症のリスクを高める可能性がある。
ビタミンK(科学名:フェロキノン、メナキノン)、植物由来のK1と微生物由来のK2があり、カリフラワーやほうれん草、トマト、イチゴ、納豆、海藻などに多く含まれる。血液凝固因子の生合成に必要で、カルシウム代謝に関与し、歯や骨の形成に影響を与える。
腸内細菌からも合成されるため成人では通常欠乏症は起こらないが、万が一欠乏した場合は出血傾向にあり、血液凝固機能が低下する。
以上、脂溶性ビタミンについてのお話でした。